この拍手をずっと忘れないでいよう。
1995年3月31日。タカラジェンヌとして初めて宝塚大劇場の舞台に立った日。
のちに宙組トップスターになる大和悠河(やまと・ゆうが)さんが見た光景は、その後の舞台人生を支える根っこになった。
宝塚歌劇団では毎年春に始まる公演のショーで、音楽学校を卒業したばかりの新入生が初舞台を踏む。一列に並び、ラインダンスを披露する。エネルギーいっぱいに、未来への希望を感じさせながら。
大和さんら81期生41人にとっても、何の不安もない、祝福に満ちた舞台になるはずだった。73日前の、あの地震がなければ――。
子どもの頃からの夢、「命がけの試験」
宝塚歌劇団の81期生41人が音楽学校の卒業試験に臨む日、阪神・淡路大震災が起きました。初舞台を踏むまでの74日間の記憶、その後の足跡を、5人の言葉でたどります。
宝塚の男役。それは子どもの…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル